もりちブログ

多分感想やら妄想やら垂れ流します。偏見と性癖にまみれていますので閲覧注意です。

十二国記を読み始めました。

数億年前に開設したきり放置されていたこのブログ。
ふと思い立ってログインしてみたら、なんと生きてるじゃあないですか。
しかもまったく無更新なのに月に40件ほどアクセスがある・・・
一体どういう手段でこのブログにヒットしているのだろうか?
気になりすぎる。


ところで、かの有名な「あの」十二国記を読み始めました。
誰でも一度は聞いたことがあるであろうこのタイトル。
90年代から続くこの有名なシリーズに、なんと私一度も手を出したことがなかったんです。
まさにその頃であれば、この私もれっきとした「毎日図書室に通う本好きの少女」だったはずなのに、三十路越えるまでページを開くことすらなかった。


なぜかというと、一応理由がありまして。
十二国記がアニメで放送されていた時に、ちらっと見たのです。「あの有名なシリーズがアニメ化したのか〜」と思いながらテレビをつけ、たまたま目にした回はめちゃめちゃ途中の話数だったんです。
なんとなく1話分眺めて見たけど、全然内容が理解できず「私向けじゃないな」と判断し、それから数年(数十年?)敬遠してきました。


今ならわかる。
そりゃあそうだ!!!
あの壮大なお話を、途中からなんとなく眺めたって理解できるはずもないし面白く思えるはずがない!!!
最初から見ないと!
もしくは、せめて本腰入れて画面を見ないと!
と、昔の私にいってやりてえ!!


でもでも、今、このタイミングで十二国記に出会えたことはそれはそれでめちゃめちゃ幸せです。
最新刊の「白銀の〜」まで入れて、全部で文庫16?冊。


あの緻密で壮大なシリーズをこれだけの冊数を読む事ができ、世界観に浸る事ができる!
数冊程度で終わらない!
エピソード4にあたる「風の万里〜」まで読んだのに、まだまだ半分も残ってる!
なんて幸せなんだ!!!ありがてえ!!!


ちなみに私はエピソード0の「魔性の子」から読み始めたクチです。
『「十二国記」のおすすめの読み順』という話題が昔ツイッターで盛り上がっていたのを覚えていたので、読む人によって読む順番が色々あるシリーズだ、という事は知っていました。
しかし順番を調べてから読むほどの情熱がその時にはなかったので、「沢山あってどれを最初に読めばいいのかわかんないな〜。でもこれがエピソード0だし、発刊日も一番古いから「魔性の子」を読めば間違いないだろ。とりあえず読んでみっか〜」


・・・的な感じで、今考えるとはっ倒したくなるような位気軽に手をつけたんですが、「魔性の子」を数ページ読んだだけで意識が変わりましたね。
「・・・この本、只の本じゃねえ・・・」と思わず背筋がのびました、あまりの面白さに。
まあ、作者があの小野不由美先生ですから、面白くない訳がなかったんですけど。


魔性の子を読み終わって慌ててググりました。
どれから読むべきなのか。
ちなみに、その後は公式おすすめの順番で読んでいます。


で、「風の万里〜」のあとがきの解説部分で語られている事が、余りにそのとおりすぎて、読みながら何度も頷いてしまいました。
普段あまり本を読まない方のために注釈を入れておくと、「解説」というのは巻末に著者ではない別の作家さんや芸能人などがその作品についての文章を寄せているアレが「解説」です。
大抵の本は読み飛ばしていいような内容のことが多いですが、たまに「この解説が巻末にあってこそ、この作品がより輝いておるのじゃな・・・!」というような神解説の場合もあります。
十二国記は基本的に解説もすばらしい!

で、十二国記は「魔性の子」から入るか、「月の影〜」から入るかで物語のイメージと感じ方がかなり違う。本当に違うと思う。


魔性の子は、シリーズ唯一のホラー作品に分類されていて、しかも元々のレーベルでは「十二国記シリーズ」に入れられていなかった。
それもあって、他の作品とかなり毛色が違うんですよね。
唯一、物語の舞台が日本ですし。
公式おすすめの読み方だと、だいぶ後ろの方に位置しています。後ろから3番目ですね。


でも私は「魔性の子」からスタートできて本当によかったと思う。
舞台が日本な事でとっつきやすかったし、作中で次々と人が死んでいく事によって登場人物が味わう得もしれぬ不気味さを、私自身も全く訳のわからないまま味わう事ができた。
シリーズをいくつか読んだ今ならば、クラスメイトを殺していっているのはタイキの使令である妖魔だし、途中で度々現れる謎の女は女径だとわかる。それから女径がさがしている「タイキ」は「戴麒」だと知っている。


それらを何もかもを知らないまま読めるのは一度きりしかない。
作中で広瀬が感じているのとおなじくらい、意味がわからない状態を味わえるのは、魔性の子を最初に読んだ者しか味わうことができない。
それを味わえたのは、本当にラッキーだった。あのときの選択を褒めてあげたい。

それから解説者も言っていたけど、「魔性の子」を最初に読むことによって「月の影〜」以降の物語への感じ方も全然ちがう。
「月の影〜」を読んでるときも、ずっと魔性の子の重苦しさが脳内にこびりついてる。
「月の影〜」から読み始めた人と同じように陽子の旅を眺めながらも、辛い旅の果てに陽子が希望をようやく見出しても、同じ世界観で「魔性の子」が存在するんだな、と思うと、なんか。なんか深い。
うまく言えないので、そこはもう解説の方がすべてまるっと語ってくれているので、全面同意と言っておきたい。


そして私が他の誰かに十二国記を勧める機会があったら、ぜひとも「魔性の子」を最初に読むことをおすすめしたい。



今のところ、とにかく麒麟たちが魅力的でたまらない。
「風の万里〜」まで読み終えた今、麒麟は3人登場している。
景麒、戴麒、延麒の三人なのだけど、これがもう、大好きすぎる。
麒麟は慈悲の生き物」だという記述があったけど、もうね、神々しい。
あんな無愛想な景麒も、やんちゃな六太も慈悲深い。どんな悪いやつでも殺したくない。
血が苦手。ていうか血の臭いもだめで、血に触れていると具合が悪くなっちゃう。
王が道を外すと倒れちゃう。果ては死んじゃう。
なんちゅう高潔な生き物なんじゃい。
好きだ〜〜〜


なんかもう、麒麟たちをみているだけで尊くて泣けてくる。

ていうか、1巻の「月の影〜」を読んでる時点ではよくわかってなかったけど、麒麟である巧麟が陽子を痛めつけるシーン。(巧麟だよね?)

あれ今考えると、めちゃめちゃ巧麟ちゃん、可哀想すぎる!!!あまりに辛い酷い所業!!!!!
麒麟は人を傷つけたりできないんだよ!
血がだめなのに、自ら血を流させるような事をさせるなんて!最低だよ、巧王!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


読み進めていくうちに、当時なんでもなかったシーンがめちゃめちゃ胸に刺さる。
すごく辛かったし苦しかったんだろうなあ・・・。



全部読んだら、イチから読み返したい。
本当に面白い、十二国記